2024/07/16 22:17
ゲリラ豪雨が街を襲った。朝の出勤ラッシュの時間帯、空は急に暗くなり、激しい雨が降り始めた。急いで傘を広げたが、風と雨の勢いに勝てず、すぐに濡れてしまった。足元の水が次第に上がり、膝まで浸かる頃には、完全に冠水してしまった道を歩いていた。
歩道の脇に避難しようとしたとき、足元が滑り、水の中に倒れ込んだ。冷たい水が全身を包み、服が肌に張り付いた。雨に濡れた白いブラウスが体に吸いつき、下着が透けて見えた。傘を必死に握りしめたが、強風にあおられてどこかに飛ばされてしまった。
震える体を支えながら、ビルの軒下に逃げ込んだ。そこには同じように雨宿りをしている数人がいた。視線を感じ、ふと横を見ると、一人の男がこちらをじっと見つめていた。濡れたシャツが体に貼り付き、筋肉の輪郭がはっきりと浮かび上がっている。
「大丈夫ですか?」その男が近づいて声をかけてきた。低く落ち着いた声に、自然と心が和らいだ。近くに寄ると、彼の濡れた髪から滴る水が、肩に落ちる様子が見えた。視線が絡み合い、胸の高鳴りを感じた。
彼の手が差し伸べられた。冷たい手が触れた瞬間、心臓が跳ねるように感じた。彼の視線が濡れたブラウスに移り、軽く息を呑む音が聞こえた。思わず体を抱きしめたが、逆に彼の手の温かさが心地よく感じられた。
「このままじゃ風邪ひいちゃいますね」と彼は微笑んだ。「近くにカフェがあるんですが、一緒に行きませんか?」
頷くと、彼の手を取り、一緒に冠水した道を進んだ。雨は少し弱まったが、まだ続いていた。カフェに着くと、暖かいコーヒーの香りが迎えてくれた。彼はすぐにコートを脱ぎ、椅子にかけてくれた。温かい空気が心地よく、濡れた体が徐々に暖まってきた。
彼の視線が再びこちらに向けられ、濡れた服越しに見える肌に微かに照れ笑いを浮かべた。「本当に大丈夫ですか?」彼の問いかけに、安心感とともに新たな期待が心に芽生えた。雨の音がカフェの窓を叩き続ける中で、二人の距離は次第に近づいていった。