2024/07/10 14:26
昼休み、会社近くのカフェに足を運んだ。いつもは同僚とランチをとることが多いが、今日は一人で過ごすことにした。店内は賑やかで、4人掛けのテーブルに一人で座ることになった。テーブルには七味やソースが並ぶ調味料のセットが置かれている。
注文を済ませ、スマートフォンでニュースやメールをチェックしていると、スパイシーなチキンカレーが運ばれてきた。七味を少し振りかけて一口食べた瞬間、微かな違和感を感じた。味に何か異変を覚えたが、それが何なのかはっきりしない。
カレーを食べ進めるうちに、違和感が次第に強まる。おかわりを頼もうとしたが、何かが引っかかり、手を止めた。周りの客たちは楽しそうに食事をしているが、目の前に座った男性がこちらをじっと見つめていることに気づく。その男性は無表情で、何かを知っているかのように見える。
突然、胸に鋭い痛みが走る。驚いて七味の瓶を手に取り中を調べると、異様な匂いが鼻をついた。七味に何かが混ぜられていることを悟り、慌てて立ち上がり、カフェの店員に助けを求めようとするが、その瞬間、視界が暗くなり、意識を失ってしまった。
数分後、目を覚ますと、心配そうな顔をした店員と医師が立っていた。急いで病院に運ばれ、命に別状はなかったが、あの七味に何が混入されていたのか、そしてあの男性の正体を知ることはできなかった。
後に、あのカフェに二度と足を踏み入れることはなく、あの日の出来事は心に深い謎として残り続けた。